図書館の本

先日、よく行く図書館である本を見つけた。

いろいろ印象に残ることが書いてある本だった。

そのうちのひとつを引用させていただく。

当時の強国、コーサラ国に、アングリマーラと呼ばれる凶悪な盗賊がいました。
平気で人を殺してものを奪い、その指を切り落として指飾りにしていました。

途中、略。

アングリマーラは仏陀と対話して、深い感銘を受け、刀や武器を投げ捨ててひれ伏し、仏陀の弟子になりたいと懇願する。

仏陀のもとで修行を始めたアングリマーラは、托鉢中に難産の夫人を見つけました。
気の毒に思って仏陀に報告すると、仏陀はこう言った。
「こう言ってやるがよい。生まれてこの方、私は人の命を奪ったことはない。その真実にかけて、あなたと赤ちゃんに幸福がありますようにと」

ただアングリマーラは、過去に犯した罪を忘れられずにいました。
「そんなウソは言えません」と仏陀に言います。仏陀は返します。

「出家として生まれてこの方、というのは真実である」

この「出家してこの方」という発想が、仏陀の思考法です。
すなわち、アングリマーラは仏陀との出会いを通じて生まれ変わった。それ以降は罪を犯していない。ならば、堂々と新しい自分を生きていけばよいというのです。

アングリマーラは、仏陀がそういう大きな心で自分を受け入れてくれたからこそ、新しい道を歩むことができました。もちろん町に出れば、人々に悪党呼わばりされ、虐待されることもあります。しかし、アングリマーラは、心を波立たせることなく、耐え忍びました。

「過去の行いの報いは受け入れる。しかし、そのことで、心を掻き乱すことはない」という覚悟でいた。

「過去の行いについて、後悔することなく、むしろその報いを受け入れるならば、その行いは善につながる」

このエピソードから学べる仏陀の思考法は、こうなります。

過去を乗り越えたいなら、新しい人との関わりを始めよう。
誰が何を覚えていようとも、その他人の記憶に反応を返さないようにしよう。

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