帰り道、
ふと見ると、足下にゴマダラカミキリが歩いていた。
立派に成長してきた虫だった。ここにひとつの奇跡がある。
驚くと同時に感動をおぼえる。
そしていつも思うこと。
このままでは、他の誰かが踏んでしまうかもしれない。
少なくとも、それが僕でなくてよかったと思う。
手に移ってもらおうとしたが、なかなか来てくれない。
そうしているうちに、ジーパンに移ってきてくれた。
そのまま移動し、近くの草むらへ。
それでもなかなか草むらへは移動しなかったが、そのうち草にしがみついて進んでいった。そして草につかまり背面歩きなどをしながら、ようやく地面に降りて歩く姿を見た。
夏の日
西からの太陽は、神々しく輝いていた。