平和記念資料館のある公園の敷地内に、G7サミット記念館がある。
G7各国の首脳達のメッセージや、会議に使われた椅子やテーブルなどが展示されていた。
僕の興味をひときわ引いたのは、ある職人さんが作った、酒器セットだった。
漆芸の作品だという。
各首脳達にプレゼントされたものらしい。それが実に美しいものだった。瀬戸内海をイメージしたという青の表現は、とてもきれいだと感じた。
同時に、これはお金じゃないとも思った。もちろん値段を付けようと思えば付くのだろうが、これ自体はお金とは違うと思った。
そう思うと、近くのテレビ画面に、地元の牛肉と思われる映像が流れていた。
この肉も、お金じゃないと思った。
本来、お金とは違う存在を、お金というものに変えることがなぜできるのか、できると思うのか、僕にはわからなかった。