川沿いのベンチに座り、川を眺める。
うしろから自転車の車輪の音が心地よく自分の中で響いた。
この音という現象は、かなり複雑な形態をしているはずである。
また、車輪の形や、路面の状況といった環境要素によって、その音色が様々に変化すると思う。
とすれば、音から、たとえば自転車の車種を推定するといったこともできるのではないか。つまり音から映像への変換とでもいうか、そんなこともできるのではないかと思った。
これは人間の身体でも同じ原理が適用できそうに思う。
つまり、その人の声を聞いたり、臓器や魂の声なき声をキャッチすることで、逆に、その人の今の状態を推定することができそうに思うのである。