先日、ピカソ展に行った。
印象に残った言葉があった。
わたしは、対象よりも、それをどう表現するかに最もこだわる、と。
たしかピカソが言った言葉。そんな感じの意味だった。
それを知ると、少しピカソの絵がわかる気がした。
たとえば、キュビズム時代の絵は、何が描かれているのかわからないものが多い。
ただ、ピカソとしては、何か新たな表現方法を模索していたと見れば、これらの作品はその過程なんだと思える。
そして、もうひとつ。ピカソが80歳を過ぎて語ったとされる言葉。
やっと、子供のように絵を描くことができた
同じ会場で、シャガールの絵を見ることもできるのだが、シャガールの絵を見ると、まるで子供が描いたような絵だと感じる。
子供が描くような絵とは、自由な発想で、制約にとらわれず描かれた絵、インスピレーションに沿って描かれた絵と言えると思う。
今回の展示会のパンフレット的な本の中に、ピカソが学生の頃に描いた絵が載っていた。
写実的な絵だった。最初はそういう絵を描いていた。でも、その方向を突き詰めようとは思わなかったのだろう。その時々の感覚に沿って、新しい表現方法を探しつつけた画家だったのだろう。そして、やっと子供のように絵を描くことができたと、その境地に達した。
ピカソの絵は、子供が描くような絵というものに達したのかもしれないが、僕にはまだまだわからない事だらけである。