海運業で富を成した、ウイリアム・バレルのコレクションを集めた展示となっています。
主に19世紀から、20世紀の西洋の画家の絵が展示してあります。
バレルは15歳の頃から、美術に関心があったようで、最終的には故郷のグラスゴーに自分のコレクションを寄贈してるくらいだから、好きで集めていたんだろうなと思います。
写実的な絵が多かったのも、私にとっては好印象でした。
例えば、ルノワールの「画家の庭」という作品。ある風景を切り取ってるのは間違いないのでしょうけど、その絵の明るさ、柔らかさ、タッチはルノワールのそれとわかるものです。
また、セザンヌの「倒れた果物かご」。これも写実的な絵ですけど、写真のような絵ではない、セザンヌ独特のタッチ、画風が感じられます。
マネの「シャンパングラスのバラ」。これもシンプルな作品ですが、赤と黄色のバラの花が綺麗に描かれている。そしてやはり、マネ独特の絵の世界を感じさせます。
世界には、写真のような絵というものがあり、それはそれでとても魅力的です。ただ、今回の展示作品のように、写実的だけど絵画としてしか表現できない魅力を醸し出してる絵というのは存在します。だから、画家は絵を描くのかもしれません。